2017.04.21

いすみ市の食材をさらに深く知る「いすみLABO」

【1回目】 2017年2月12日(日)~13日(月)
【2回目】 2017年2月26日(日)~27日(月)
「いすみLABO」では、「水産系」と「農産系」、2つのテーマのもとに体験会や講習会を開催。いすみ市に暮らす漁業関係者や農業従事者、地域の方々が参加して、CLUB REDのメンバーと共に、地域の食材に関する知識を深めるさまざまな研究を行いました。

1.農業系(体験)

  • いちご畑見学(はちベえ いちご園)

    2015年にオープンした、いすみ市初のいちご狩り農園。CLUB REDメンバーは未熟な白いちごも試食し、新しい料理のアイディアを考案しました。

  • 切り干し大根作り体験・ごま油生産現場見学(ピア宮敷)

    自然環境に恵まれた障害者支援施設。甘みたっぷりの切り干し大根、ごま油や椿油を地域の人とともに開発・販売していました。

  • 果樹農園剪定作業体験(五平山農園)

    五平山農園は、イチジクやブルーベリーなど、品質の高い果樹を栽培している農園です。農園ではまず、ハウスの中で栽培しているイチジクを見学。イチジクの種類は「桝井ドーフィン」と「バナーネ」の2種。1本の幹から約200個のイチジクを収穫できるのだそうです。
    ブルーベリーは大きな病気がないので無農薬栽培が可能、虫がついたときには手で取って退治するそうです。ブルーベリーは剪定をしないと実が小さくなり、熟すのが遅く、収穫もしにくくなってしまいます。マッチ棒の軸より細い枝、花芽の付いていない枝は切り、10cm以上で花芽が2-3個付いている枝を残します。

  • トマト畑見学・トマトの作り分け講習(FARM YARD いしの)

    石野篤史さんは、サービス業から転身、飲食業の大本である食材を提供したいと考えて、トマト農園を営んでいます。400坪のハウスの中は26℃と暖かく、その中で「桃太郎 ヨーク」と「麗容」、2種類のトマトを育てています。
    石野さんによると、食べごろの桃太郎は「オレンジがかった色で、茶色に熟したものがフレッシュでジューシー」。赤色のトマトが好みであれば、収獲後に2日ほどおいて追熟することで、甘みが増すそうです。最近では青いトマトの注文も多いとか。加熱すると爽やかな酸味を楽しめるので、フリットなどにするのだそうです。

2.水産系(体験・講習)

大原漁港・朝市見学(大原漁港 港の朝市)

伊勢エビの水揚げ高全国トップレベルを誇る漁港を見学。朝市は、朝早くから観光客や地元の方々で大賑わい。新鮮な魚介類に加えて、野菜や加工品も産地直送!
アワビ、サザエ、浜ゆでダコをはじめ「いすみブランド」に認定された地元グルメを堪能しました!

  • 活け締めと神経締め、食味試験(地魚レストラン晴海)

    魚の締め方にはいくつかの方法がありますが、今回は「活け締め」と「神経締め」を取り上げました。 活け締めとは、エラの上部に包丁を入れて魚を即死させ、血抜きをして鮮度を保つ方法。神経締めとは、活け締めにした魚の中枢神経(延髄・脊髄)を破壊または除去し、死後硬直を遅らせることで鮮度を保つ方法です。食味試験では、4日前〜当日に、活け締めと神経締めで処理した鮮度別のヒラメとタイを実際に食し、味わいの経時変化を体験。いつ、どの方法で処理したものかを予想し、それぞれの食味を数値化するという試みです。用意されたヒラメとタイは全部で15種類もありました。

3.畜産系(体験・メニュー検討)

  • 酪農教室(高秀牧場)

    高秀牧場は、広大な敷地で約150頭の乳牛を飼育している酪農牧場です。乳牛は、人間の食料の副産物を食べ、生乳が人間の飲料になり、排泄物が堆肥や液肥となり、後には食肉や皮革製品になり、余すところなく人間の生活に役立っています。牛舎を案内されるなかで、参加者は乳搾りを体験。「搾ったミルクはスパゲッティくらいの太さがベスト」ということでした。初体験者が多かったものの皆さん上手にできました。

  • 新作ジェラート開発会議(高秀牧場)

    高秀牧場のカフェで新鮮な牛乳とジェラートを試食しながら、プロジェクトで開発するオリジナルジェラートのアイディア出し。髙橋さんといすみ市、CLUB REDの面々がテーブルを囲みます。話し合ううちに、いすみ市の食材を使ったジェラートを作ろう!ということに決まりました。2日間に体験したいすみ市の食材や、訪れた場所を思い出しながら、さまざまな食材の可能性を追求するうち、いすみ米のジェラートという方向性に定まりました。

  • 新作ジェラート試作・検討会(高秀牧場)

    再び高秀牧場のカフェに料理人たちが集合しました。前回の開発会議の結果を受けて、髙橋さんが試作したお米のジェラートをみんなで試食し、「いすみ CLUB RED レストラン」にどのように生かすかを検討します。 参考にしたレシピ通りに作った「リゾットジェラート」は、十分においしいものの、レモンの香りが強く、「お米らしさが弱い」という意見が出ました。そこで、「お米の香り」を生かしたジェラートを作るためにはどういう方法がふさわしいか、討議が重ねられます。様々なアイディアが飛び交う中で、最終的に「ジェラートの甘さを抑えてソースで味付けする」、という方向性が出てきました。結果、和、洋、中、3種類のソースをジェラートにかけることで決定しました。

4.酒(体験)

  • 酒造見学・古酒試飲(木戸泉酒造)

    木戸泉酒造は、先々代が考案した高温山廃モトという独自の醸造法で、防腐剤を使わない自然醸造を旨とする酒蔵です。日本酒には珍しい長期熟成酒を実現したことでも知られています。 五代目荘司勇人さんの案内で昔ながらの大きな甑(こしき)、麹室、仕込みタンクなどを見学した後に、各自の生まれ年に仕込まれた希少価値の古酒を試飲。

5.勉強会(座学)

  • 魚の締め方の科学(夢真村)

    活け締めと神経締めの科学的な知識を学びます。魚は、死後硬直が解けたのちに熟成が始まり、体内のアデノシン三リン酸(ATP)という成分がうま味成分イノシン酸に変化します。このときが刺身の食べどき。しかし、さらに熟成が進むとイノシン酸が消費されてしまい、うま味はなくなり、魚は腐敗していきます。そこで、生きた魚を活け締めや神経締めにすると、うま味のピークを調整することが可能になるのです。
    講習後には、各種データを蓄積することで、料理や調理法に適したガイドラインを作成したい、という意見が出ました。いすみLABOから、食の世界に新たな指針が生まれるかもしれません。

  • 飯縄寺歴史勉強会(飯縄寺)

    明王山無動院飯縄寺は、808年に開山したと伝えられ、江戸時代には上野・寛永寺の直轄寺院となりました。現在の本堂は1797年建立。本堂の入り口には烏天狗と大天狗のお面が掲げられ、「天狗のお寺」として親しまれています。本堂内の欄間「天狗と牛若丸」は縦1m横4mのケヤキの一枚板で作られた、“波の伊八”こと武志伊八郎信由の最高傑作と言われる作品。また、同じく本堂内の「波と飛龍」のくだける波と鉤爪の表現は、葛飾北斎が手本にしたとも言われています。
    歴史の勉強の後は、いすみ市の新しい「郷土料理」を生み出すためのディスカッション。CLUB REDメンバーが、いすみ市に暮らす生産者、料理人に、いすみ市の郷土料理や食材の魅力について質問。活発な意見が交わされました。

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